増山 均 先生 講演会②
「子育て」に大切なことは、体験と理論です。
子どもと一緒にいて発見したことを蓄積していく事が体験です。
理論の一つとして、「育てる」についてです。
「育」が付く熟語を4つあげてください。
一番に頭に浮かぶのは「教育」だと思います。
学習権です。
これはとても強い力で、学校に行くようになると親の頭の中は「教育」でいっぱいになります。ピークは高校受験。高校のランキングや偏差値で子どもを判断してしまう。
子どもは数字じゃないけれど、子どもの可愛さは変わらないけれど、数字の判断で「この子はダメなの?」となってしまいます。
子どもの捉え方が一面的になり、子どもの見方が曇ってしまう。
これだけで子どもを判断しない為に、
まずは、「養育」。
生活権。生活を安定させるものです。
養育の中には、
・「食育」
生活の基本です。栄養バランス、孤食をさせないなどいろいろありますが、何よりも食卓の雰囲気が大切です。
・「眠育」
子どもが安心して眠れるということ。そういう場所があるということです。
・「気育」
家庭の雰囲気がいいということ。家に、その場所にいたいと思える雰囲気。これは親に責任があります。旦那さんのせいにしたり子どものせいにしていても変わりません。自分から変えないといつまでたっても変わらない。
子どもは遊びに行ったりして他の家庭をみるといい。我が家と比較することも大切です。
もう一つは、「遊育」。
文化権。『遊び、あそびは子どもの主食です。』
あそびの中に子ども同士が育ち合う力があります。
大人が作った上手にあそばされている時間ではなく、本当の子どものあそびの時間が大切なんです。
無駄でいい。
意味なんかなくていいんです。夢中になって今やりたいことをやる。それを体験する事が大切なんです。
生活の中に「あそび」の部分がないと、人がギクシャクします。車にも、ハンドルやアクセルに遊びがあるのと同じです。
最後のもう一つ、「甦育:そいく」
甦生権。もう一度やり直す権利です。
思春期が子育てで一番大切な時期です。
失敗しても、躓いてもいい。もう一回やり直せばいいんです。失敗させないのではなく、失敗しても もう一回やり直せる。それでも大丈夫。という育ちが大切です。
学校は健全育成を期待するところです。ということは、そうでなければ「健全でない子」というレッテルが貼られる。
でも、みんなそうだと思いますが、清く正しく美しく生きる事ができないのが人間です。
経験のない子が悪いことをするのは当たり前なんです。
1回の事でレッテルを貼るんですか?
1回の事でレッドカードですか?
躓いたり失敗したりする中で、反省して立ち直ることが大切なんです。
そのチャンスを保障することが「甦育」です。
子育ては、なるべく長い物差しを当てて、子供を育ててください。
長い時間の流れで見れば、そんなに騒がなくてもいいことはたくさんある。
その時にしかできないことを、大きな目で見ることが大切です。
約2時間の楽しく、考える講演会でした。
子どもの権利条約につながる、入門の基礎のお話でした。
増山先生ありがとうございました。
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